私は個人的に、昔から料理をする上で「自分では作らない」と心に決めていた3つの領域があります。
それは、「ケーキ」「ラーメン」そして「インドカリー」です。

なぜなら、これらはプロの修行が必要で、場所を取る高価な道具を一式揃え、大量かつ多岐にわたる専門食材をわざわざ取り寄せ、家の中の景観や収納をガラリと変えてしまう……
まさに「素人が軽々しく手を出すべきではない禁断の領域」だと思っていたからです。

ものを増やしたくないし、かけた労力や経費に見合う結果がほしい。
食材も絶対に無駄にしたくない!
例えばケーキ。アップルパイやマフィンならとまに作ります。
でも、いわゆる“ケーキ”はどの角度から見ても、お店に食べに行くか買ってきたほうが圧倒的に美味しいしコスパが良い。
親子で手作りを楽しむならクッキーか、頑張ってもシュークリームで十分(正直クッキーだって美味しすぎる市販品が溢れているので、面白い型を見つけた時くらいしか作らない)。
そしてラーメン。麺を茹でて炒めた野菜を乗せ、スープにお湯を注ぐ……これは料理ではなくただの「ラーメン用意」です(笑)。
本物のラーメンを家で作るのがどれだけ無謀かは、想像に難くありません。
ですが……この3つの中で、唯一「……もしかして手が出せないこともないか?」と思えてしまったのが、インドカリーでした。
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カレーキットのモヤモヤと、突然の「謎の気づき」

昔からインドカリーが大好きで、一人でも、家族でも、友達とでもしょっちゅうお店に通っていました。
あちこちにあって手頃だし、私にとって最高の外食の一つです。
もちろん、市販のカレールーで作る日本の家庭的なカレー(※私は日本のものを「カレー」、インドのものを「カリー」と呼び分けています)も大好きでよく作ります。
たまに無印良品などのカレーキットも使ったりしていました。
ただ、いつもの家庭のカレーは安くて簡単でみんな喜ぶけれど、カレーキットはちょっと割高で、量も少なくて……なんだかモヤモヤしていたんですよね。
そんな時、ふと耳にした「インドカレー屋さんは実は店舗を出しやすい」という噂。
さらに極め付けは、前からインスタをフォローしていた方が「え?料理の話なんて一度もしたことないのに、突然インドカレー屋オープンさせた……!?」という謎の件。
もしかしてインドカリーって、実はめちゃくちゃ簡単なのか……?
【簡単手作り味噌】炊飯器で1日、香りに包まれる暮らし。高級炊飯器を「味噌専用」にしてまで私が伝えたかったこと。
カレー屋さんをやるつもりは一切ないけれど(笑)、とにかく大好きなインドカリーを自分で作って好きなだけ食べられたら、それって最高じゃない!?

遂に手にした、一冊のマンガ
とはいえ、長年「手を出してはいけない」と蓋をしてきたインドカリー。
大量のハーブやスパイス、聞いたこともない謎の材料、タンドールみたいなすごい窯や専用の鍋が必要なのでは……?
ノリでスタートして山ほどスパイスを買い込み、結局使い切れずに放置してしまうのでは……?
そんな恐怖から、これまでレシピすら調べたことがありませんでした。

もしかしてできるのかも?と思ってからの行動は早い(笑)
そんな私がついに一歩を踏み出すきっかけになったのが、印度カリー子さんの本でした。
名前を聞いたことがあったし、イラストも可愛かったので「入門にちょうどいいかも」とネットで購入。
届いて開けてみると、なんとマンガ。
本の中の挑戦者があまりにも料理をしない人だったり(すみません)、手描きのイラストに修正ホワイトの跡が見え隠れしていたり、「覚える」という字の冠に「常」の冠があてられている誤字が何回か出てきて(書き順が違うのかな……笑)
地味に小さなストレスを感じたりもしたのですが……中身は、まさに目からウロコの大衝撃でした‼️

え……こんなに簡単でいいの……!?
☑️材料は驚くほど少なく、スーパーでいつでも買える(手持ちのものでOK)
☑️スパイスは、まさかの『3種類』のみ!しかも全然珍しくないやつ
☑️新しい調理道具は一切必要なし&調理時間はなんと30分以下
☑️砂糖も小麦粉も使わず、油も少量。お肉がなくても作れる!

長年抱いていた「大掛かりな道具と大量の珍しいスパイス」という恐怖が一瞬で吹き飛びました!
そもそも「カリー」とは何なのか?

衝撃のあまり、そもそも「カレー(カリー)」とは何なのかを調べてみました。
すると、インドやネパールの現地事情を知れば知るほど驚きの連続。
「そうだったのか……!『上を向いて歩こう』を海外で『Sukiyaki』って呼んでるみたいな感じか…」と、ひとり納得。
🍛 「日本のカレー」と「私たちが思うインドカリー」の正体
1. 日本の「カレー」は、インドからではなく「イギリス」からやってきた!
私たちが家庭や食堂で慣れ親しんでいる、とろみのある「日本のカレー」。
実はこれ、インドから直接伝わったのではなく、明治時代にイギリス海軍経由で日本に持ち込まれた洋食なのです。
イギリス人がインドのスパイス料理を西洋風のスープ(シチュー)にアレンジし、小麦粉でとろみをつけたカレー粉ベースの料理を作成。
それが日本に伝わり、お米に合うように進化をとげたのが「日本のカレー」のルーツ。
つまり、日本のカレーはルーツを辿ると「イギリス風西洋料理」だったのです。

日本人による魔改造を経たカレーは、
もはや日本を代表する日本食の一つ!
2. 現地には「カレー」という名前の料理が存在しない!?
私たちが普段お店で頼む「チキンカリー」「マトンカリー」「サグ(ほうれん草)カリー」。
実は、インド現地には「カレー」という総称の料理は存在しません!
現地の人にとって、あの料理たちはそれぞれ固有のスパイス煮込みやスープ。
「これはチキン・マサラ(鶏肉のスパイス炒め煮)」
「これはダル(豆のスープ)」
「これはパニール・マッカニー(カッテージチーズのバター煮込み)」
…といった具体的な料理名で呼ばれており、それらをまとめて「カレー」と呼ぶ概念自体が現地にはないのです。

4. ネパール人シェフと「ナン」の意外な関係
日本の「インド料理屋さん」に行くと、顔より大きい焼き立てのフワフワ「ナン」が出てきますよね。ここにも面白い事実があります。
□実はお店のシェフの多くがネパール人!
日本の「インド・ネパールレストラン(インネパ系)」と呼ばれるお店の多くは、ホスピタリティが高く手先が器用なネパール人のシェフの方々が営んでいます。
□インド現地では、日常的にナンを食べない!?
インドの一般家庭にタンドール(あの巨大な壺型オーブン)はないため、普段現地で食べられている主食は、フライパンやタプ(鉄板)で焼く「チャパティ」や「ロティ」、そしてお米です。
高級レストランや特別な日の外食で食べるのが「ナン」なのです。
🐟 🥔 海のものも山のものもある日本!和の素材で化ける「おうちスパイスカリー」

「スパイスカリー=インドの食材を使わなきゃいけない」なんて思い込みも、作っていくうちに一瞬で吹き飛びました。
日本は世界に誇る「海の幸・山の幸」の宝庫。
小麦粉も砂糖も使わず、油も控えめなシンプルなおうちスパイスカリーだからこそ、日本の素材が持つ本来の旨味や食感がダイレクトに引き立ち、とんでもない美味しさに化けるのです!

スパイスは、匂い消しではなく、
素材そのものを引き立てるものだった‼️
🥔 滋味深い「山の幸」カリー
□里芋
下茹でして入れると、スパイスを吸った里芋がねっとり絡み、自然なコクとろみが出ます。
□れんこん
厚めに切ってシャキシャキ感を残しても良し、素揚げして香ばしさをプラスしても良し!
□ごぼう
ごぼう特有の土の芳醇な香りは、クミンやコリアンダーと相性抜群。細かく刻んでキーマ(ひき肉)に混ぜるのも絶品です。
□椎茸
軸まで細かく刻んで炒めベースへ。椎茸の圧倒的な旨味(グアニル酸)がスパイスと合わさり、お肉なしでも満足感たっぷりに仕上がります。
🐟 手軽な缶詰からごちそうまで「海の幸」カリー
□ツナ缶、サバ缶
オイルやスープごと炒めベースに投入するだけで、一気にお店のような深いコクが爆発!
エビ:トマトベースにエビの旨味が溶け出し、仕上げにココナッツミルクを少し足せば、一気に南インド風の爽やかな本格エビカリーに。
ホタテ&メカジキ:ちょっと奮発したい日にはコレ!ホタテの甘みや、身がふっくら崩れないメカジキは、ニンニクショウガを効かせたスパイスソースと合わせると唸るほどの美味しさです。。
□エビ
トマトベースにエビの旨味が溶け出し、仕上げにココナッツミルクを少し足せば、一気に南インド風の爽やかな本格エビカリーに。
□ホタテ、メカジキ
ちょっと奮発したい日にはコレ!ホタテの甘みや、身がふっくら崩れないメカジキは、唸るほどの美味しさです。

素材をミックスしないで、一つの素材で作るのが◎!
かさ増ししたいなら、大豆が良いかな?
「今日は冷蔵庫にあるサバ缶とごぼうでサクッと」
「今週末はホタテと里芋でちょっと贅沢に」
なんて、組み合わせはまさに無限大。
日本の旬の食材をたった3つの基本スパイスで受け止める……
これこそが、週4〜5で食べ続けても全く飽きない「スパイスカリー沼」の最大の醍醐味です!
💡 まとめ:だからこそ「おうちスパイスカリー」は自由でいい!

「本格的なインドカリー」という厳格な正解があるように見えて、実は本国インドでも地域や家庭によって使うスパイスも呼び名もバラバラ。
「カレー」という概念自体が、国を渡るごとに自由に形を変えて愛されてきた料理なのです。
そう考えると、難しいルールに縛られず「家にある素材と3つのスパイスでサクッと作る」というおうちスパイスカリースタイルは、実は本場インドの日常のスタイルに一番近いのかもしれません!
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