子供と鉱物イベントへ出かけた帰り、普段はやらないガチャガチャに挑戦。
ゲットしたのは、手のひらサイズの本格苔リウム「テラリウム専門店が本気で作った!カプセルテラリウム」。
カプセルをそのままテラリウムの入れ物として使い、砂、土、苔、飾り石がランダムで入ったものです。
説明書には、土や苔の種類名は記載なく、ランダムですという説明だけでした。
⬇️これが、説明書通りに作った本体。
黄土色っぽい土、真っ黒でツヤのある、綺麗な砂、黒っぽいシンプルな石3つ、よく見るタイプの苔。

本命は作り方通りにバッチリ完成させたのですが、手元には「少しの苔」と「真っ黒い砂」が余りました。
「もったいないな」と思い、家にあった小さな白いスチール缶(鉄製)を引っ張り出してきて、お気に入りのコレクションである蛍石(フローライト)と一緒に、余り物を気楽に植え付けてみたんです。
苔の乾燥防止のため、プラスチックのドーム型の蓋(穴が数カ所あいたもの)をして、1週間に1度ほど霧吹きをするだけ。
そんな風に「残り物」で気楽に始めたミニテラリウムだったのですが……1ヶ月半ほど経ったある日、信じられない怪現象が起きました。
漆黒の砂の奥から、謎の「金箔」が湧き出てきた
数日に一度、いつものように霧吹きをして眺めていると、黒い砂の隙間から、何やらキラッと光るものが。

素人がやりがちな「水のやりすぎ」。
週1でいいものの、週2はやってたwww
よーく見ると、まるで金箔のような、薄くてキラキラした破片が、あちこちに現れたのです。

徐々にではなく、ある日気がついたらたくさんあった、という感じ。
表面には少なく、でも気になってつついてみると…
砂の内側、特にスチール缶の底の方にたくさん張り付いている!!
ピンセットでそっと拾い集めて表面に散らしてみたのが、この写真です。

「これは何?金箔…な訳はないが、なにか生成された……!?」
実はこれ、園芸などでバーミキュライトとして売られる土の中でキラキラ光る、「雲母(うんも)」という鉱物。ひる石とも言うそうです。
「雲母」と言われるとピンとこないかもしれませんが、じつは私たちのとっても身近にあるもの。
アイシャドウやファンデーション、リップをキラキラ・ツヤツヤさせるあの「ラメ(パール剤)」の正体なんです。
(化粧品の成分表にはよく「マイカ」や「金雲母」と書かれています)
つまり、コスメのキラキラの魔法が、我が家の残り物テラリウムの底から自力で湧き出てきたような状態です。

金ではないが…
錬金術だあ〜!!
でも、なぜ?
最初から土を混ぜたわけでもないし、ただの真っ黒な火山砂と水しか入れていません。
しかも、プラスチック容器に「本命の土」をたっぷり使って作った本命のテラリウムには、このキラキラはひとつも現れていないのです。
犯人は「スチール缶」と「黒い砂」のミクロな電池
その謎をロジカルに紐解いていくと、この小さなスチール缶の中で、「電気と化学のダイナミックな化学反応」が起きていたことが分かりました。
鉱物がゼロから生成されたわけではなく、砂の中に隠れていた目に見えないほど微細な雲母の結晶が、「ある力」によって1箇所に吸い寄せられていたのです。

鉱物の生成には何万年もかかる💦
その前にちょっと…雲母そのものについて解説します。
🌋 1. 「雲母(マイカ)」ができるしくみ

すべての始まりは地底のマグマです。
マグマ(ケイ素、アルミニウム、マグネシウムなどのスープ)が、地下深くで数百年〜数万年かけて「ものすごくゆっくり」冷え固まるとき、
成分がきれいに整列して、あのペラペラとした層状の美しい結晶(結晶格子)になります。
火山の噴火で一気に地上に飛び出してきた軽石やマグマのしぶき(火山灰など)の中にも、小さな結晶のまま閉じ込められて一緒にやってきます。
🌍 雲母ができやすい地理・地形
マグマが活発に活動した、古い火山地帯や、マグマが地下深くで固まった「花崗岩(かこうがん)」の山地によく見られます。
日本の川原の砂や、公園の砂場をじーっと見ると、金色にキラキラ光る粒が見つかることがありますが、あれは花崗岩の山から削られて流れてきた雲母です。

⬆️白雲母、黒雲母など多種あり。

それにしても、苔リウムに現れたものの黄金の輝きといったら…!
では話を戻し、なぜ、目に見える形でキラキラ雲母が現れたのか?
① スチール缶の内部が「磁石」になった?
ガチャガチャに入っていた真っ黒で綺麗な砂は、
火山の溶岩が細かくなった「富士砂(スコリア)」というもの。
実はこれ、鉄などの金属成分を豊富に含んでいます。
これが「スチール缶(鉄)」に触れて水(霧吹き)が加わることで、ミクロの世界でごく微弱な静電気(微小な電流)が流れる「局部電池」という現象が起きていました。
② 電気で底に引き寄せられ、水で膨らんだ
雲母の微粒子には「マイナスの電気を帯びやすい」という性質があります。
そのため、スチール缶の底で起きた微弱な電気に引っ張られて、砂の中に散らばっていた雲母の破片が、磁石に吸い寄せられる鉄粉のように、缶の底へ底へと集まってきたのです。
集まった微粒子は、度々の水分補給によってパイ生地のようにペラペラと膨張(剥離)し、私たちの目に見える「金箔のようなキラキラ」へと成長し、一部は水のみちを通って表面に溢れ出してきました。
缶の底にやたらと張り付いていたのは、まさにこの「電気の引力」の決定的な証拠だったのです。
3. プラスチックの本命には起きえない「奇跡の実験室」
本命のプラスチック容器では、どれだけ水やりをしてもこのキラキラは現れません。
なぜならプラスチックは電気を通さない「絶縁体」だからです。
1、電気の引き寄せを起こす「スチール缶(鉄)」
2、雲母の素と電気を発生させる「黒い火山砂」
3、電池のスイッチを入れる「適度な水分」
お家にあったスチール缶と、ガチャガチャの残り物の砂。
この偶然の組み合わせが揃ったことで、缶の底で「微細な雲母を電気で集めて、水でふやかしてキラキラにするマシーン」が全自動で動いていたわけです。

本命リウムにはゼロで、
余り物リウムは黄金のふりかけ!

とてもじゃないけど、気のせいとは片付けられないあの雲母の量。
ハァ〜、分かって良かったwww!

📈 これからも増える?もう頭打ち?

「キラキラはあと少しだけ増えて、そのあと頭打ち(ストップ)になる」というのが大方の予想です。
この1ヶ月で出てきた雲母は、缶の底の電気にいち早く反応して、かつ水のみちをスッと登りやすかった「エリートな粒たち」です。
砂の粒の奥深くには、まだ水が十分に染み込みきっていない穴や、少し重くて移動に時間がかかっている「のんびり屋の雲母」が、まだ少し隠れている可能性あり。
そのため、これからの霧吹きによって、あと数割くらいは「新顔」がひょっこり現れるかもしれません!
ただし、雲母は苔リウム中で新しく生まれているわけではなく、「もともと黒い砂の中にあったものの総量」が決まっています。
砂の中の雲母がすべて出尽くしてしまえば、それ以上増えることはありません。


⚠️ 扱いによって消えてしまう可能性も💦

扱い方によっては、
せっかくのキラキラが消えた(見えなくなった)ように感じてしまうリスクが3つあるって!
水の勢いで「また砂の奥に沈んでしまう」
雲母は、非常に軽くて剥がれやすく、今の状態は極めて薄くペラペラしています。
霧吹きを上から「強い勢い」で吹き付けるのは禁物。
水の圧力(水流)で、せっかく表面に出てきた雲母が、富士砂の粗い粒の隙間から下へと押し流されたり細かく砕けてしまって、砂の奥底に逆戻りしてしまうことがあります。
缶のサビが進行しすぎて「電気(引力)が止まる」
現在、スチール缶の底では微弱な電気化学反応が起きていますが、これが進むと当然、缶の底(内側)に薄いサビが発生します。

ええ〜!
今のところ、サビは全くなし…。
でも普通に考えて、スチール缶が濡れっぱなしだったら錆びるよねぇ!?
今まではそのエネルギーが別のことに使われてたのかなぁ…
完全にサビで覆われてしまうと、金属同士の電気のラリー(局部電池)がストップするため、雲母を底に引き止める力が弱まります。
そうなると、水や振動で簡単にどこかへ散らばりやすくなります。

それに、苔がじわじわ成長して覆い隠しちゃうかも。
でも、それはそれで可愛いかな。
💎 この美しさを長く守るための「3つの処方箋」
この、成り行きミニチュア金鉱山リウムをキープする方法を調べてみました。
霧吹きは「超ふんわり」遠くから
水をかけるときは、至近距離から直撃させるのではなく、霧吹きを少し上向きに噴射し、「霧の雨を上から降らせる」ように優しくかけてあげる。
これで雲母が砂の奥に沈むのを防げます。

今まで普通に近射してましたwww
蛍石のまわりは「苔の立ち入り禁止区域」にする
苔が蛍石や雲母のエリアまで侵入してきたら、ピンセットなどでトリミング(散髪)。
黒い砂とキラキラが見えるスペースを意図的に残してあげるのが、ジオラマ美を保つコツです。
もし消えかけたら「ピンセットで救出」
もし水やりでまた砂に埋もれてしまったら、
「底の方からそっとピンセットや爪楊枝の先で広い集めて、蛍石のまわりに再度配置してあげる」
のが一番確実で楽しいメンテナンスになります。

…、つまり、
溶けてなくなる、とかは無さそう。
散り散りになるのの乾燥を防げばいいのね!
まとめ:偶然が生んだ、世界にひとつの鉱物テラリウム
最初は「残り物」として気楽に作った小さな缶の世界。
ですが、霧吹きのたびに、この小さな白い缶の中では、重力と浮力、そして電気のルールが静かに働いて、輝きとワクワクをプレゼントしてくれました。
涼しげな蛍石の結晶のまわりで、砂の体内から目覚めた雲母がキラキラと光る姿は、知れば知るほど愛おしくて、最高のインテリアになっています。
日常の「あれ?」という違和感を調べてみると、想像以上に壮大な科学のロジックが隠れているものですね。
鉄イオンの働きなど、もっと深いところの仕組みも、調べてみたいとおもいます。
皆さんの机の上でも、もしかしたら小さな奇跡の実験が始まっているかもしれません。

キッチンで芋がカビる…
なんか急にドアノブの根元が錆びる…とか😭


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